ビタミンB2は水溶性で、酸や熱にはやや安定。アルカりや光に弱い性質を持ちます。ビタミンB2は脂質の代謝を促進し、糖質の代謝にもかかわる・過酸化脂質を分解する・成長を促進する・細胞の再生を助ける・粘膜を保護するという作用を持ちます。水溶性なので、過剰症の心配はありません。牛乳、卵、納豆はそのまま食べられるので加熱による損失がありません。魚は、身より皮の方にB2が多く存在します。ビタミンB2は細胞の再生やエネルギーの代謝を促します。健康な皮膚や髪、爪をつくり、成長を促進します。不足すると成長が止まってしまいます。栄養素のなかでも脂質は多くのエネルギーを生み出しますが、それだけ脂質の代謝にはたらくB2もよけいに必要です。脂質のとり方が多いほど不足しがちになります。B2不足で脂質の代謝がうまくいかないと、脂質がエネルギー源として利用されにくくなります。B2は、体内で過酸化脂質ができるのを防いでいます。過酸化脂質は動脈硬化症や老化を進行させ、発がん性もあるといわれる有害物質です。動脈硬化症はさらに虚血性心疾患や高血圧、脳卒中の原因にもなります。つまり、B2は過酸化脂質を分解することで、さまざまな成人病を予防していることになります。B2欠乏でまず症状があらわれるのは、唇や舌、目などの粘膜のところです。口内炎や口角炎がよくできる、目が充血してゴロゴロするといった人はB2不足かもしれません。肌荒れ、髪のトラブルをおこしやすい人も気をつけましょう。水溶性で、体内にためておけないので毎日摂取する必要があります。B2が豊富なのは動物性食品です。動物性食品をあまり食べない人、ストレスの多い人、脂質の摂取量が多い人などは、不足に気をつけましょう。糖尿病の人は糖質の代謝だけでなく脂質の代謝もうまくいかなくなるので、B2をたっぷりとって脂質の利用を促しましょう。畑の肉といわれる納豆は、良質のタンパク質源ですが、B2の供給源としてもおすすめです。大豆にはそれほどB2は含まれていませんが、納豆になるとぐんとアップします。じつは納豆菌がB2をつくりだしているのです。朝の食卓に、納豆2分の1パックと目玉焼きがあれば、もう1日の所要量の半分近くがとれてしまいます。B2は動物性食品に多いので、ベジタリアンや菜食に偏った食事の人に、納豆はぜひとも利用してほしい食品です。肥満を防ぐポイントのひとつは、脂肪をためこまないことです。そのためには摂取量を滅らすことはもちろんですが、からだに入った脂質をスムーズに代謝させることが必要です。そこで、ビタミンB2に活躍してもらいましょう。ダイエットで体脂肪の分解を亢進させれば、それだけビタミンB2の必要量は増大してきます。ダイエット中は食事制限のために、大切なビタミンまで不足させがちですから気をつけましょう。脂質の代謝にはB6などもかかわっています。B群は併せてとったほうが効果的です。糖尿病は、ほうっておくと高脂血症や動脈硬化などの合併症をおこすので、気をつけないといけません。B2が糖尿病によいといわれるのは、この合併症を予防するようにはたらくからです。糖尿病になると、インスリンというホルモンの分泌が減り、糖質の代謝がうまくいかなくなり、血糖値が上がります。そこでまず、糖質の代謝にはたらくB1を補給して、糖の代謝を円滑にしてやることが必要です。進行すると脂質の代謝も悪くなり、やがて血液中のコレステロールがふえて、動脈硬化などにつながります。したがってB2も同時にたっぷりとって、脂肪を最大限エネルギーに変えてやることが、動脈硬化を防ぎ、ひいては糖尿病などの合併症を予防することになります。
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