ビタミンB1は水溶性で、加熱するとさらに水に溶けやすい。アルカり(重曹)を加えて加熱すると壊れる。弱酸性で安定するという性質を持っています。不足すると疲れがたまってきます。水溶性のため多量にとっても排泄されるので、過剰症はありません。毒性も知られていません。調理すると、煮汁に溶け出すので汁ごと食べるか、あんにからめる等して食べる。ビタミンB1は、糖質を分解し、エネルギーに変えるときの酵素の補酵素の役目をします。B1が不足すると糖質が分解できず、乳酸などの疲労物質がたまって疲れやすくなります。さらに、手足がしびれてむくみ、動悸(ドウキ) 、食欲不振といった脚気の初期症状がみられます。エネルギーになる栄養素は糖質と脂質、タンパク質です。日本人はエネルギーの多くを炭水化物、つまり糖質に頼っているので、B1は重要なビタミンです。昔の日本に脚気が多かったのは、炭水化物主体の食事にもかかわらず、B1の多いぬかの部分をそぎ落としていたからです。食事事情が欧米並みになった現在も、白米を主食にしている日本人にとって、B1は相変わらず不足しがちなビタミンです。糖分が多いのにB1は含まれない清涼飲料水や甘いお菓子、インスタント食品が幅をきかせている、こんな偏った食生活の人は特に注意が必要です。タバコ、酒もB1不足を招きます。胚芽米を取り入れたり、豚肉やうなぎなどB1の多い食品を食べて、とる量をふやしましょう。にら、ねぎ、玉ねぎにも同様の状態のB1が含まれています。うどんを食べるときは、ねぎをたっぷりと刻み入れるなどして上手に利用しましょう。からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。B1はエネルギーの供給だけでなく、老廃物の代謝にもかかわっています。B1だけではありません。B2、ナイアシンなどのほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。いわば元気の素です。B群をまんべんなく含む食べ物の優等生は、玄米や小麦全粒粉です。ご飯やパンは毎日欠かさず食べる主食ですし、B群もとりだめのできないビタミンですから、主食でとるのがいちばんです。精白した真っ白い米や小麦粉ではB群はあまり期待できません。胚芽米や全粒粉のパンがおすすめです。 おかずでとるとすると、レバー、牛乳、卵、豚肉、鶏肉、大豆などがB群の豊富な供給源です。
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